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ダイカストのデザインのヒント
Dynacast では、お客様から部品デザインを向上させる上でどんなヒントがあるのか尋ねられることがよくあります。そこで弊社がダイカスト成形において推奨しているもっと一般的なデザインのガイドラインの一部を紹介したいと考えていました。ダイカストは様々な金属を選択することができ、成形された部品は多種多様なものがあります。以下のヒントが、多くの部品のデザインにおいて役立でしょう。また、採用したい合金や表面処理を必ず考慮するようにしてください。
皆さんにお教えしたい最初のヒントは、部品に勾配を加えることです。勾配を設けることは、部品の内壁と外壁、パーティングラインの垂直方向に対し若干のテーパを適用することを意味します。これにより収縮を抑制し、キャビティからの鋳造品の取り外しを容易にします。勾配の追加により部品の鋳造が容易になります。一般的に推奨される抜き勾配は合金やプロセスに応じて0.25度から1度の範囲となります。あなたの担当の Dynacast 技術担当に対し、勾配をつけたくない箇所を必ず伝えるようにしてください。多くの場合において特定の箇所でゼロに近い勾配を実現することができます。部品をデザインする際に勾配を考慮し、最初から重要でない箇所に大まかな勾配を適用するようにするとよいでしょう。
また、部品のデザインに角Rを必ず導入するようにしてください。可能であれば特に重要でない箇所で十分な角Rを利用してください。角Rが可能でないか望ましくない箇所がある場合、部品の図面の注記に記載するようにしてください。角Rは部品の強度を高め、溶湯の流動性を改善し、その後の表面処理を容易なものとします。
リブとボスは通常強度を高めるために部品のデザインにおいて活用されています。それらは鋭利な角部を減らすためできるだけ角Rと組み合わせる必要があります。ほとんどのリブとボスは重要でない箇所であるため、適当な勾配を適用するようにしてください。
デザインしようとしている部品が軽量である必要がある場合、よく利用されるオプションは肉厚部に肉抜きをデザインすることです。これは部品の重量を減らすだけでなく、サイクルタイムを短縮しコストを削減することにもなります。またここでも、適当な勾配とRを適用するようにしてください。
ダイカスト部品をデザインする際、プロセスに伴うあらゆる事項を考慮してください。ほとんど追加コストがかからない工程を追加することを検討してみてください。例えば、ロゴ、表面テクスチャ、統合型締め具(リベット、スタッド)、エンボス加工の部品番号表示等があります。4スライド式ダイカスト加工プロセスがさらなる柔軟性を実現することができます。あなたの担当の Dynacast 技術担当がこうしたオプションや多くのことであなたのお力になれます。
最後に、最終製品を製造するためにキャビティへの溶湯の流動性を補助するためのヒントをお教えしたいと思います。部品に滑らかな角部や均質な箇所がある場合、金属がキャビティ全体に浸透しやすくなります。これにより溶融金属の乱流なしで迅速な充填が可能となります。しかしながら、均質な部品が常に選択肢となるとはかぎらないことがわかっています。.溶湯の流れについて言えば、長い「窓」やスロットのある部品は溶湯の注入を大幅に抑制する可能性があり、他方で丸い穴がある場合には流れがスムーズになります。
こうしたヒントがお役に立つことを願っています。こうしたオプションの詳細やここで述べていない追加的なオプションについて知りたい場合には、弊社サイトの部品の改良ページをご確認ください。ここには部品デザインの改良の仕方に関する豊富なノウハウがつまっています。
Dynacast には優れた事前設計検討(DFM)サービスがあり、その詳細についてはこちらで確認することができます。このサービスでは、Dynacast の専門家があなたのデザインを検証し、ダイカストのデザインを容易にしたり、コスト効率を高める方法について助言することができます。
このほかに詳しく知りたいデザインのヒントなどございますか?もしおありでしたら、それはどんなものでしょうか?